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横向き親知らずの抜歯、痛みは?口腔外科での難症例治療を解説

横向き親知らずの抜歯、痛みは?口腔外科での難症例治療を解説銀座駅徒歩3分・東銀座駅徒歩10秒の歯医者・審美歯科「東京銀座A CLINIC デンタル」です。

奥歯の奥に鈍い痛みや違和感を覚えつつも、忙しい日々の中でつい受診を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。特に「横向きに埋まっている親知らず」と診断された場合、一般的な抜歯よりも大がかりな手術になるのではないか、仕事に影響が出るほどの痛みや腫れが続くのではないかと不安が募るものです。横に向いて埋まった親知らずの抜歯は、歯科医療において難症例に分類されることが多く、適切な診断と高度な技術を要します。この記事では、横向き親知らずを放置するリスクから、口腔外科における専門的な治療プロセス、術後の経過や痛み・腫れをコントロールする対策まで、根拠に基づいた情報を詳しく解説します。

横向きの親知らず、その痛みや違和感を放置していませんか?

親知らずが横向きに倒れて埋まっている状態は、一見すると大きな問題がなさそうに思えるかもしれません。しかし、目に見えない歯茎の下では、周囲の組織や隣の健康な歯にじわじわと悪影響を及ぼし続けています。痛みが一時的に治まったからといって放置すると、取り返しのつかないトラブルに発展することがあります。

放置するリスク①:隣の歯が虫歯・歯周病になる

横向きに生えた親知らずは、手前にある第二大臼歯(奥から2番目の歯)とぶつかり合い、その隙間に複雑な溝を作ります。この隙間は歯ブラシの毛先が届きにくく、どれほど丁寧にケアをしていてもプラーク(歯垢)が溜まりやすい環境です。結果として、親知らずだけでなく、最も噛み合わせで重要となる隣の健康な歯まで虫歯や歯周病にかかってしまいます。隣の歯の根元付近にできた虫歯は治療が極めて難しく、最悪の場合は親知らずと一緒にその重要な歯まで失うリスクがあります。

放置するリスク②:「智歯周囲炎」で強い痛みや腫れが出る

親知らずの一部だけが歯茎から露出している半埋伏と呼ばれる状態では、歯茎と歯の間にポケットができ、細菌の温床となります。体調不良や疲労、ストレスなどで免疫力が低下したタイミングで細菌が急増すると、親知らずの周囲の歯茎が激しく炎症を起こします。これを「智歯周囲炎」と呼びます。智歯周囲炎が進行すると、強烈な痛みだけでなく、頬や顎まで大きく腫れ上がり、口を開けることや食事の咀嚼、唾液を飲み込むことさえ困難になるケースがあります。

放置するリスク③:歯並びの悪化や噛み合わせに影響する

横向きの親知らずは、前方の歯を押し出すように成長を続けることがあります。この押し出す力が継続的に加わることで、ドミノ倒しのように前歯の歯並びが乱れたり、全体の噛み合わせが微妙に狂ったりすることがあります。長年かけて整った美しい歯並びが、1本の親知らずの影響で崩れてしまうのは非常に大きな損失です。また、噛み合わせのズレは顎関節症を引き起こし、肩こりや頭痛などの不定愁訴につながることもあります。

そもそもなぜ親知らずは横向きに生えるのか?

親知らずがまっすぐ生えてこない理由には、人間の進化の歴史と深く結びついた背景があります。生え方のバリエーションを知ることで、なぜ自分の親知らずが横向きになっているのか、その構造的な理由が理解できます。

現代人の顎の大きさが原因

親知らずは、一般的に10代後半から20代前半にかけて生えてくる最も奥の永久歯です。大昔の日本人は、固い木の実や生の肉をしっかりと噛んで食べていたため、顎の骨が非常に頑丈で大きく発達していました。しかし、時代とともに食生活が柔らかいもの中心へと変化した結果、現代人の顎の骨はどんどん小さくシャープに退化してきました。一方で、生えてくる歯の大きさや本数は大昔とほとんど変わっていません。このため、最後に生えてくる親知らずが並ぶためのスペースが顎に残されておらず、行き場を失った歯が斜めに倒れたり、完全に横を向いた状態で骨の中に埋まったりしてしまうのです。

親知らずの生え方で変わる抜歯の難易度

親知らずの抜歯にかかる時間や身体への負担は、その生え方のタイプによって大きく変動します。まっすぐ生えているタイプは他の歯と同じように比較的スムーズに抜け、数分から10分程度で終わることが多いです。しかし、斜めに倒れて前方の歯にぶつかっているタイプや、顎の骨の中に完全に水平に埋まっている「水平埋伏」と呼ばれるタイプは、難易度が非常に高くなります。さらに、歯の根っこの先端が釣り針のように曲がっていたり、顎の骨と癒着していたりすると、より高度な外科技術が必要になります。

口腔外科での横向き親知らず抜歯の流れ【難症例】

横向きに埋まった親知らずの抜歯は、単に引っ張って抜くことができません。安全性を最優先にし、不必要な骨の切削や神経への刺激を避けるため、口腔外科では緻密に設計された手順に沿って治療が進められます。

ステップ1:診察と精密検査(CT撮影)

抜歯治療は、正確な現状把握から始まります。通常の2次元レントゲン写真に加え、口腔外科では3次元的に骨や神経の位置を把握できる「CT撮影」を行います。CT検査を行うことで、親知らずの正確な角度や歯根の形状、そして最も重要である「下歯槽(かしそう)神経」や血管が通る管との距離をミリ単位で確認できます。これにより、偶発症のリスクを極限まで抑えた安全な手術計画を立てることが可能になります。

ステップ2:麻酔|痛みをコントロールする重要な工程

手術中の痛みを完全に遮断するため、丁寧な麻酔処置が行われます。一般的な浸潤麻酔(歯茎に直接注射する麻酔)に加え、下の親知らずのように感覚が伝わりやすい部位では、顎の広範囲に効果を及ぼす「伝達麻酔」を併用することが一般的です。しっかりと麻酔が効いていることを入念に確認してから手術を開始するため、術中に激しい痛みを感じることはほぼありません。

恐怖心が強い方は「静脈内鎮静法」も選択可能

手術に対して極度の恐怖心がある方や、嘔吐反射(口の中に器具が入ると吐き気がする症状)が強い方の場合は、腕の静脈から点点滴で鎮静薬を注入する「静脈内鎮静法」という選択肢もあります。この方法を用いると、ウトウトと半分眠ったような、非常にリラックスした状態で治療を受けることができます。時間が経過する感覚も鈍るため、「気がついたら手術が終わっていた」という感覚で不安を感じることなく抜歯を終えられます。

ステップ3:抜歯処置(切開・骨の削除・歯の分割)

麻酔が十分に効いた後、本格的な抜歯に入ります。横向きの親知らずは骨の中に埋まっているため、まず歯茎を切開して骨の表面を露出させます。次に、歯の頭の部分(歯冠)を覆っている最低限の骨を専用の器具で削り、引っかかっている親知らずの頭を露出させます。その後、親知らずをそのまま抜くことはできないため、超音波機器や細微なバーを使い、歯を頭と根っこの部分に分割します。分割したそれぞれのパーツを、周囲の組織を傷つけないように慎重に一本ずつ取り出していきます。

ステップ4:洗浄・縫合

親知らずが完全に取り除かれたら、傷口の中に削りカスや細かな歯の破片が残らないよう、生理食塩水で入念に洗浄します。骨の鋭利な部分を整え、出血をコントロールしたのち、切開した歯茎を元の位置に戻して医療用の糸で縫合します。なお、症例によっては、あえて完全に縫合しないことで術後の腫れや痛みを抑えるアプローチを取ることもあります。

ステップ5:抜歯後の経過観察と抜糸

手術当日は、傷口を保護するための止血用ガーゼをしばらく噛んでいただきます。翌日以降に、傷口の消毒と出血がないかを確認するための経過観察を行います。縫合した糸は、傷口が安定してくる術後1週間から2週間を目安に、クリニックにて抜糸(糸取り)を行います。抜糸自体の痛みはほとんどなく、一瞬で終了します。

横向き親知らずの抜歯、痛みと腫れのピークはいつ?

抜歯をためらう最大の理由として、「手術中や術後の痛み」を挙げる方は非常に多いです。術前と術後の痛みのコントロール法を把握しておくことで、過度な恐怖心を解消し、仕事などの予定を無理なく調整できるようになります。

抜歯中の痛みは麻酔でコントロールできる

「手術が怖い」と感じる方は多いですが、術中は適切な麻酔管理により、物理的な痛みを感じることはありません。ただし、麻酔は痛みの神経をブロックするものであり、押される感覚や響く振動を完全に消すことはできません。歯を分割する際や、器具で押される際に独特の圧迫感や振動を感じることがありますが、それは痛んでいるわけではないためご安心ください。もし少しでもチクチクとした痛みを感じる場合は、遠慮なく手を挙げて医師に伝えれば、すぐに麻酔を追加してもらうことができます。

抜歯後の痛みは2〜3日、腫れは3〜4日がピーク

麻酔が切れる手術当日の数時間後から、徐々に痛みや違和感が出始めます。一般的に、痛みのピークは抜歯当日を含む2日から3日の間です。その後は処方される鎮痛薬の服用とともに穏やかに引いていきます。一方、頬の腫れは手術直後ではなく、翌日から現れ始め、術後3日から4日目がピークとなります。その後は1週間ほどかけて黄色い内出血の跡(青あざのようになる現象)を伴いながらゆっくりと消失し、2週間が経過する頃には外見上も完全に元通りになります。

痛みや腫れを最小限に抑えるための歯科医院の取り組み

医療技術の進歩に伴い、難症例であっても患者様の身体的負担を減らす取り組みが盛んに行われています。例えば、骨を削る量を最小限に抑える低侵襲な骨切削技術の導入や、傷口の治癒を促すフィブリン製剤の活用などが挙げられます。また、痛みの感覚を先回りしてブロックするために、術前の診察段階から最適な痛み止めの処方計画を立てるなど、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせたきめ細やかな管理がなされています。

抜歯後の生活で気をつけるべき7つの注意点

難症例の抜歯を成功させるためには、クリニックでの治療だけでなく、帰宅後の「過ごし方」が極めて重要です。傷口が健康に塞がるのを助け、余計なトラブルを防ぐための7つの約束事を解説します。

処方された薬は指示通りに服用する

抜歯後に処方される抗生物質(化膿止め)は、傷口からの細菌感染を防ぐための非常に重要な薬です。「痛みが引いたから」と自己判断で途中で服用をやめてしまうと、体内で抗生剤に耐性を持った細菌が増殖し、後から傷口が化膿して激しい痛みや腫れを引き起こす原因になります。必ず指示された日数分を最後まで飲み切ってください。また、鎮痛薬は痛みが激しくなる前に、先回りして早めに服用するのが賢明なコントロール方法です。

強いうがいを避ける(ドライソケット予防)

抜歯後の穴には「血餅(けっぺい)」と呼ばれる、かさぶたのような血液の塊がたまります。この血餅が傷口を保護し、新しい骨や歯茎の再生を促します。しかし、抜歯当日から数日の間に気にして強くうがいを何度も行ってしまうと、この大切な血餅が洗い流されてしまいます。血餅が剥がれ、骨が直接お口の中に露出した状態を「ドライソケット」と呼び、骨に細菌が感染して激しい激痛が1箇月近く続く深刻なトラブルになります。歯磨きの後のうがいは、お水を口に含んでそっと吐き出す程度に留めてください。

食事は刺激の少ない、柔らかいものを選ぶ

抜歯後2日から3日間は、傷口に刺激を与えない食生活を意識しましょう。おかゆやスープ、ゼリー飲料、豆腐、ヨーグルトなど、噛まずに飲み込めるか、軽い力で咀嚼できる柔らかいものが適しています。香辛料などの辛いもの、熱すぎるスープ、柑橘類などの酸味が強い食材は傷口を激しく刺激するため避けてください。また、ストローを使って飲み物を強く吸い込む動作も、お口の中の圧力が変化して血餅が脱落する原因になるため避ける必要があります。

抜歯当日は安静にし、激しい運動や長風呂は控える

抜歯当日は、身体全体の血行が良くなる行動を避けなければなりません。血行が良くなると、せっかく固まりかけた傷口から再び勢いよく出血し始め、血が止まらなくなってしまいます。スポーツジムでの激しい運動、サウナや長時間の入浴は厳禁です。入浴はシャワーを浴びる程度に済ませ、手術後は自宅でリラックスして安静に過ごしてください。

飲酒・喫煙は傷の治りを遅らせるためNG

アルコールは血管を拡張させるため、術後の出血や腫れ、痛みを大幅に悪化させます。また、タバコに含まれるニコチンは毛細血管を急激に収縮させ、傷口への血流を阻害します。血流が不足すると、傷を治すための栄養や酸素が十分に行き届かなくなり、ドライソケットの発生率が何倍にも跳ね上がります。少なくとも抜歯後数日間、可能であれば傷口が落ち着くまでは、禁酒・禁煙を徹底してください。

腫れている部分は適切に冷やす

術後の強い腫れや熱感に対しては、冷やすことが有効です。ただし、氷水を直接肌に当てたり、冷却シートを何日も貼り続けたりするような極端な冷やし方は逆効果になります。急激に冷やしすぎると、患部周辺の血流が悪くなりすぎて組織の修復スピードが遅れ、かえって腫れが長引く原因になります。冷やす際は、水で濡らした冷たいタオルなどを「15分冷やしたら15分休む」といったペースで交互に当て、心地よいと感じる程度に優しく冷やしてください。腫れのピークである3日目を過ぎたら、今度は温めて血流を良くした方が回復が早まります。

仕事はいつから復帰できる?

デスクワーク中心の仕事であれば、ほとんどの場合、抜歯の翌日から通常通り勤務に復帰することが可能です。ただし、術後2日から3日目は最も腫れが出やすく、人前に立つお仕事や、接客業、電話対応が多い部署にいる方は、喋りづらさや外見上の腫れを考慮してスケジュールを調整しておくのが無難です。また、力仕事や体を激しく動かすお仕事の方は、術後2日ほどは大事をとってお休みするか、業務内容を調整することをおすすめします。

横向き親知らずの抜歯、どこで受ける?口腔外科選びのポイント

横向きの親知らず抜歯は、医療技術が求められる小手術です。安心して治療を任せられるクリニックを見つけるための重要な指標を整理しておきましょう。

「口腔外科」の専門性(認定医・専門医)を確認する

一般的な虫歯治療を行う歯科医師と異なり、お口の中の外科手術に特化した知識と技術を持つのが「口腔外科医」です。日本口腔外科学会が設ける基準を満たした「認定医」や、さらに何年もの厳しい研修と臨床経験を積んだ「専門医」が在籍しているクリニックを選ぶことは、大きな安心材料になります。難症例に対するアプローチの選択肢が多く、万が一の突発的なトラブル時にも迅速かつ適切な対応が期待できます。

CT設備による精密な診断が可能か

安全な抜歯のために、院内に歯科用CT設備が整っているかどうかは極めて重要です。2次元のレントゲンだけで経験を頼りに抜歯を行うと、骨の裏側を走る重要な下歯槽神経に傷をつけてしまうリスクが高まります。診察時にCTを用い、多角的な視野から歯根の位置関係をシミュレーションしてくれる環境であるかを必ず確認してください。

難症例の経験や実績が豊富か

クリニックのホームページなどに、水平埋伏智歯や深い位置に埋まった親知らずの抜歯症例数、具体的な手術実績が豊富に掲載されているかをチェックしましょう。多くの難症例を日常的に治療している医師であれば、手術時間を短縮するノウハウを熟知しているため、患者様が受ける身体へのストレスや術後の腫れを大幅に軽減することができます。

「大学病院でないと抜けない」は誤解?

かかりつけの歯科医院で「横向きだから大学病院の口腔外科へ紹介します」と言われ、敷居の高さや通院の難しさに困惑する方は多いです。しかし、実は大学病院にわざわざ行かなくても、地域に根ざした「口腔外科」を標榜する歯科クリニックで、大学病院レベルの設備と認定医・専門医による抜歯が受けられるケースが増えています。仕事帰りに通いやすく、予約がスムーズに取りやすい開業医の口腔外科を見つけることで、スケジュール調整が格段に容易になります。

横向き親知らず抜歯の費用は?保険適用の範囲と目安

医療行為としての抜歯にかかる費用はどの程度でしょうか。事前に大まかな予算を把握しておくことで、余計な心配をせずに受診に踏み切ることができます。

親知らずの抜歯は基本的に保険適用

痛みがある、またはトラブルを引き起こしている親知らずの治療、検査、および抜歯手術は、すべて健康保険の適用の範囲内で行うことができます。美容目的の矯正治療などの特殊な場合を除き、3割負担の保険証を提示すれば国で定められた一律の料金体系に基づき治療が受けられます。

生え方による費用目安の違い

自己負担額(3割負担の場合)は、手術の難易度や工程によって異なります。まっすぐ生えている単純な抜歯の場合は、手術費用のみでおよそ800円前後です。少し骨を削るなどの処置を伴う難抜歯の場合、およそ1,500円前後となります。そして、完全に横を向き、骨の削除や歯の分割を要する「水平埋伏智歯」の抜歯手術料は、およそ3,200円から4,000円程度が目安になります。これに加えて、事前の精密検査代(CT撮影は約3,000円台前半)、処方薬代、再診・消毒代などが別途加算されるため、最終的なトータル費用は総額で5,000円から15,000円程度になるのが一般的です。

医療費控除の対象になる場合も

親知らずの抜歯治療に要した費用は、確定申告時の「医療費控除」の対象になります。同一世帯で1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費の総額が10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額)を超えた場合、税金の還付や軽減措置を受けることができます。クリニックで発行される領収書は、大切に保管しておきましょう。

横向き親知らずの抜歯に関するよくある質問(FAQ)

受診する前によく寄せられる代表的な疑問に対し、確実な根拠に基づいた回答をわかりやすくまとめました。

Q. 親知らずは必ず抜かなければいけませんか?

A. いいえ、必ずしもすべての親知らずを抜く必要はありません。完全にまっすぐ生えており、上下の歯できちんと噛み合っていて、虫歯や周囲の歯茎の炎症などのトラブルを一切起こしていない美しい親知らずであれば、無理に抜かずに温存します。また、将来的に他の大事な奥歯を失った際に、歯の移植(自家歯移植)を行うためのドナー歯として活用できる可能性があるため、状態が良い親知らずは貴重な財産として残しておく価値があります。

Q. 抜歯にかかる時間はどれくらいですか?

A. 抜歯に要する時間は難易度によって大きく異なります。口腔外科に習熟した専門医が担当する場合、まっすぐな親知らずであれば数分で終了します。横向きに埋まっている難症例の水平埋伏智歯の場合でも、多くの場合は15分から30分程度でスムーズに終了します。極めて深い位置に埋まっている場合や骨との癒着が激しい特別なケースでは、60分ほどかかることもありますが、事前のCT診断によりあらかじめ時間が予測できるため、過剰な心配はいりません。

Q. 抜歯後の穴はどのくらいで塞がりますか?

A. 抜歯後の大きな穴が肉眼で完全に平らに塞がるまでには、約1ヶ月から1.5ヶ月程度かかります。治療後1週間ほどで傷口の表面は新しい薄い皮膚(上皮)に覆われますが、内部の凹んだ状態はしばらく残ります。さらに、歯を抜いた後の空洞部分が完全に新しい骨で満たされ、硬い元の骨の組織として治癒するには、およそ3ヶ月から半年以上の期間がかかります。穴に食べかすが入ることがありますが、無理につまようじ等でかき出そうとせず、うがいで自然に流すようにしてください。

Q. 抜歯による神経麻痺のリスクはありますか?

A. 下の親知らずの近くを走行している「下歯槽神経」を傷つけると、術後に下唇の周辺や顎の皮膚にしびれが生じるリスクがごくまれに存在します。しかし、これは事前のCT撮影によって神経と歯根の正確な距離感を把握し、無理な力を加えずに安全な方向に歯を分割して引き抜く技術があれば、発現率を最小限に抑えることができます。万が一、しびれの症状が現れた場合でも、多くの場合は数週間から数ヶ月の服薬治療(ビタミンB12製剤など)を行うことで徐々に回復していきます。

Q. 親知らずを抜くと小顔になりますか?

A. 親知らずを抜いたからといって、劇的な骨格の変化を伴う小顔効果が得られるわけではありません。ただし、下の親知らずの周りを囲む骨が削られたり、しっかり噛めるようになることで周辺の過剰な筋肉(咬筋)の張りが取れたりした結果、フェイスラインが多少スッキリとした印象になることはあります。小顔になることを主な目的に抜歯を受けるのではなく、あくまでお口の健康維持のために治療を検討されることを推奨します。

まとめ:横向き親知らずの不安は口腔外科の専門医に相談しよう

横向きに埋まった親知らずの抜歯は、難易度が高い「難症例」に位置づけられます。しかし、経験豊かな口腔外科の医師のもとでCTによる精密検査を行い、痛みをしっかりと抑える麻酔技術を駆使して治療に臨めば、安全かつスムーズに終わらせることができます。仕事を休むのが難しい、術後の生活管理が不安といったライフスタイルに関する悩みも、事前にしっかりと医師と相談し調整を施すことで解消できます。痛みを無理して我慢し続け、隣の健康な歯まで台無しにしてしまう前に、ぜひ一度、お近くの信頼できる口腔外科の専門医が在籍する歯科医院に相談をしてみてください。正しい診察を受けることこそが、日常生活の質を高める大きな第一歩になります。

 

監修者

菅野 友太郎 | Yutaro Kanno
国立東北大学卒業後、都内の医療法人と石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)に勤務。
2018年大森沢田通り歯科・予防クリニックを開業、2025年 東京銀座A CLINIC デンタル 理事長に就任し現在に至る。  

【所属】
・5-D Japan 会員
・日本臨床歯周病学会 会員
・OJ(Osseointegration study club of Japan) 会員
・静岡県口腔インプラント研究会 会員
・日本臨床補綴学会 会員
・日本デジタル歯科学会 会員
・SPIS(Shizuoka Perio implant Study) 会員
・TISS(Tohoku implant study society) 主催  

 

【略歴】
・2010年 国立東北大学 卒業
・2010年 都内医療法人 勤務
・2013年 石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)勤務
・2018年 大森沢田通り歯科・予防クリニック 開業
・2025年 東京銀座A CLINIC デンタル 理事長 就任

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