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骨切り矯正の基本|どんな手術?痛みや腫れ、仕事復帰までの期間を解説

骨切り矯正の基本|どんな手術?痛みや腫れ、仕事復帰までの期間を解説 銀座駅徒歩3分・東銀座駅徒歩10秒の歯医者・審美歯科「東京銀座A CLINIC デンタル」です。

「自分の顔の輪郭に自信が持てない」「歯並びだけでなく、骨格から顔の印象を変えたい」そのように感じているなら、骨切り矯正が選択肢の一つとなるかもしれません。骨切り矯正は、単に歯並びを整えるだけでなく、顎の骨格そのものにアプローチすることで、顔全体のバランスや噛み合わせといった根本的な悩みを解決へと導く治療法です。

しかし、外科手術と聞くと、「どんな手術をするのだろう」「痛みや腫れはどれくらい続くのか」「仕事にはいつから復帰できるのか」といった多くの疑問や不安が頭をよぎるのではないでしょうか。この記事では、骨切り矯正の基本的な内容から、手術の流れ、気になる痛みや腫れのピーク、そして仕事復帰までの目安まで、あなたが知りたい情報を分かりやすく解説していきます。骨切り矯正への理解が深まり、治療を検討するための具体的な第一歩を踏み出せるはずです。

骨切り矯正とは?骨格から輪郭と噛み合わせを整える治療法

骨切り矯正は、単なる歯並びの矯正とは異なり、外科手術と歯列矯正を組み合わせることで、顎の骨格そのものから顔の輪郭と噛み合わせを根本的に改善する治療法です。この治療は、一般的な歯列矯正では対処が難しい、顎の骨格に起因する重度の出っ歯や受け口、顔の歪みといった不正咬合を対象としています。

具体的には、顎の骨を専門的な技術で計画的に切開し、理想的な位置へと移動させた後に医療用のプレートなどで固定します。このプロセスによって、見た目の美しさ、つまり審美性の大幅な向上が期待できるだけでなく、食べ物をしっかりと噛めるようになる、発音がしやすくなるといった機能面での改善も同時に目指せるのです。

このような治療は、医学的には「顎変形症」と診断されるケースが少なくありません。顎変形症は、上顎骨や下顎骨の大きさ、形、位置関係に異常があるために、顔の見た目や噛み合わせに問題が生じる状態を指します。骨切り矯正は、顎変形症の診断を受けた方にとって、顔のコンプレックス解消と機能改善の両方を叶える有効な選択肢となります。

一般的な歯列矯正との違い

骨切り矯正と一般的な歯列矯正は、治療のアプローチする対象が根本的に異なります。一般的な歯列矯正が「歯」の位置や傾きを動かすことを目的としているのに対し、骨切り矯正は「顎の骨格」そのものの位置や形を改善することを目的としています。

この違いは、治療できる症状の範囲や治療効果の現れ方に大きく影響します。一般的な歯列矯正では、軽度から中程度の歯並びの乱れや、歯の傾きによる出っ歯・受け口には対応できますが、顎の骨格自体に大きなズレや歪みがある場合には、歯だけを動かしても限界があります。骨切り矯正は、そのような骨格性の問題が原因で生じる重度の出っ歯、受け口、顔の左右非対称、開咬といった症例に適用され、歯列矯正単独では得られない顔貌の劇的な改善をもたらします。そのため、治療による顔貌の変化の度合いも、骨切り矯正の方がはるかに大きいと言えるでしょう。

また、治療期間や身体的負担にも違いがあります。歯列矯正は通常、外科手術を伴わないため、身体への負担は比較的少ないですが、治療期間は数年に及ぶことが一般的です。一方、骨切り矯正は全身麻酔下での外科手術を伴うため、入院や術後のダウンタイムが必要となり、一時的な身体的負担は大きくなります。しかし、骨格から改善することで、より安定した噛み合わせと美しい顔のバランスを長期的に維持できるというメリットがあります。

骨切り矯正が適応となるのはどんな人?代表的な症例

骨切り矯正に興味をお持ちの皆さんは、「自分の悩みは骨切り矯正で解決できるのだろうか?」という疑問をお持ちかもしれません。このセクションでは、一般的な歯列矯正だけでは改善が難しい、顎の骨格に原因がある不正咬合や顔の歪みがどのような場合に骨切り矯正の適応となるのかを具体的にご紹介します。代表的な症例を通じて、ご自身の症状と照らし合わせながら、骨切り矯正が適しているかどうかを判断する手助けになれば幸いです。

重度の出っ歯(上顎前突)や口ゴボ

骨切り矯正が適応となる代表的な症例の一つに、「重度の出っ歯(上顎前突)」とそれに伴う「口ゴボ」があります。これは、歯だけが前方に突出しているのではなく、上顎の骨自体が前に突き出している状態を指します。横から見たときに口元が前方に盛り上がって見え、鼻の下から唇、顎先にかけてのラインが直線的ではないと感じる場合、この症状に該当する可能性があります。

見た目のコンプレックスだけでなく、口元が出ているために口を閉じにくかったり、無理に閉じると顎先に梅干しのようなシワが寄ったりすることもあります。また、歯茎が見えすぎる「ガミースマイル」を併発しているケースも見られます。このような症状は、歯の移動だけでは根本的な改善が難しいため、骨格レベルでの調整が必要となる骨切り矯正が有効な選択肢となります。受け口(下顎前突・反対咬合)

もう一つの代表的な症例は、「受け口(下顎前突)」です。これは、下の歯が上の歯よりも前方に出ている「反対咬合」のうち、その原因が下顎の骨が過剰に成長していることにある、骨格性の症状を指します。いわゆる「しゃくれ」た印象の横顔になることが多く、顔全体のバランスが崩れて見えることがあります。

見た目の特徴に加え、機能面での問題も生じやすいのが受け口です。前歯がうまく噛み合わないため、食べ物を噛み切るのが難しく、咀嚼機能が十分に発揮されないことがあります。また、サ行などの発音が不明瞭になるなど、会話にも影響が出ることがあります。これらの問題は、一般的な歯列矯正では改善が難しく、下顎の骨の位置を根本的に調整する骨切り矯正が検討されます。

前歯が噛み合わない(開咬)

「開咬(かいこう)」も、骨切り矯正が適応となる代表的な症状の一つです。これは、奥歯をしっかりと噛み合わせても、上下の前歯の間に隙間ができてしまい、前歯が閉じない状態を指します。多くの場合、顎の骨格の歪みや成長のアンバランスが原因で生じます。

開咬は、日常生活において多くの不便を伴います。例えば、前歯で食べ物を噛み切ることができないため、麺類をすすったり、葉物野菜を食べたりすることが困難になります。また、前歯の隙間から息が漏れるため、発音が不明瞭になったり、常に口が開いている状態になることで口呼吸になりやすくなったりすることもあります。このような症状を根本から改善するためには、顎の骨格的な問題を解決する骨切り矯正が有効な手段となります。

顔の歪み・左右非対称

顔の「歪み」や「左右非対称」も、骨切り矯正が適応となる重要な症例の一つです。これは、顎の中心が左右どちらかにずれていたり、顔の片側だけが長く見えたりする状態を指します。このような非対称性の原因が、顎の骨の大きさや形の左右差にある場合に、骨切り矯正が検討されます。

顔の歪みは、見た目のコンプレックスにつながりやすいだけでなく、機能的な問題を引き起こすこともあります。例えば、顎関節に負担がかかることで顎関節症の原因になったり、左右どちらか一方でばかり噛む癖がつき、咀嚼筋のバランスが崩れたりすることもあります。骨切り矯正によって顎の骨の位置を調整することで、顔全体のバランスを整え、審美性と機能性の両面からの改善を目指すことができます。

骨切り矯正の主な手術方法

骨切り矯正は、単に歯を動かすだけでなく、顎の骨格そのものを適切な位置に移動させることで、顔の輪郭と噛み合わせを根本的に改善する治療法です。この治療には、動かす骨の部位や範囲によっていくつかの異なる手術方法があり、患者様の症状や治療目標に合わせて単独、または組み合わせて行われます。

このセクションでは、骨切り矯正でよく用いられる代表的な手術方法について、専門知識がない方にも分かりやすいように解説していきます。具体的には、上顎の骨を切る「ルフォーI型骨切り術」や、下顎の骨を切る「下顎枝矢状分割術(SSRO)」、さらには部分的な骨切り術である「分節骨切り術(セットバック)」や、顎先の形を整える「オトガイ形成術」などをご紹介します。それぞれの術式がどのような目的で行われ、どのような効果が期待できるのかを理解することで、ご自身の悩みに合った治療法を見つける一助となるでしょう。

上顎の手術:ルフォーI型骨切り術

ルフォーI型骨切り術は、上顎の骨全体を動かすために行われる、最も代表的な手術方法です。この手術では、鼻の脇あたりから口腔内を切開し、上顎の骨を水平方向に切って、骨の塊を他の骨から分離します。その後、分離した上顎の骨を、前後、上下、左右といった三次元的に最も理想的な位置に移動させ、医療用の小さなプレートとネジでしっかりと固定します。

この術式は非常に汎用性が高く、さまざまな症例に対応できます。例えば、上顎が前に出すぎていることによる重度の出っ歯(上顎前突)や、反対に上顎が引っ込んでいる受け口、顔の長さが目立つ「面長」の改善、笑ったときに歯茎が大きく見えてしまう「ガミースマイル」の治療にも効果を発揮します。上顎の骨格を根本から整えることで、顔全体のバランスが劇的に改善され、美しいEライン(エステティックライン)の形成にも大きく貢献します。

下顎の手術:下顎枝矢状分割術(SSRO)

下顎枝矢状分割術(SSRO:Sagittal Split Ramus Osteotomy)は、現在、下顎の骨切り手術として最も広く行われている術式です。この手術では、下顎の奥歯の外側あたりで、下顎の骨を縦方向(矢状方向)に分割します。分割された骨を、理想的な噛み合わせや輪郭になるようにスライドさせて移動させ、チタン製の医療用プレートとネジで強固に固定します。

SSROは、主に受け口(下顎前突)の改善に用いられますが、顎が左右にずれている「顔の歪み」の治療にも有効です。この術式は、顎関節への負担が少ないとされており、術後の顎間固定(上下の顎をワイヤーなどで固定する処置)が必要となる期間が比較的短いというメリットもあります。術後早期から口を開ける練習ができるため、回復もスムーズに進みやすい傾向にあります。顎の骨格を正確にコントロールすることで、機能的な噛み合わせと美しいフェイスラインの両方を実現します。

部分的な骨切り手術:分節骨切り術(セットバック)

分節骨切り術は、歯列全体ではなく、一部の歯とそれを支える骨だけを動かす手術方法です。一般的には「セットバック矯正」とも呼ばれ、特に口元の突出感(いわゆる「口ゴボ」)を改善したい場合に検討されます。この手術では、主に前歯部分の骨をブロック状に切り取り、そのブロックを後方に移動させてプレートで固定します。

通常、小臼歯などの歯を抜歯してできたスペースを利用して前歯全体を大きく下げることで、口元の突出を解消し、横顔のEラインを整えることができます。顎全体を動かすルフォーI型やSSROに比べて、手術の範囲が限定されるため、身体的な負担が少ないという特徴があります。しかし、適応できる症例が限られており、骨格全体の問題を抱えている場合には、他の術式との併用や、より広範囲な骨切り手術が選択されることもあります。

顎先の手術:オトガイ形成術

オトガイ形成術は、顎先の形や位置を整えることを目的とした手術です。この手術では、下顎の先端部分(オトガイ部)の骨を水平に切り、その骨片を前後、上下に移動させたり、あるいは骨を一部削って長さを短くしたりすることで、顎のラインを形成します。例えば、顎がないように見える「顎なし」の改善や、逆に顎が長すぎる、あるいはしゃくれている印象を和らげるのに有効です。また、顎が左右に曲がっている非対称な状態を整えることも可能です。

この手術は、ルフォーI型骨切り術や下顎枝矢状分割術(SSRO)といった他の骨切り手術と組み合わせて行われることが多く、顔全体のバランスをより完璧に近づけるために重要な役割を果たします。顎先の位置や形を調整することで、顔全体の印象を大きく変え、より理想的なフェイスラインとEラインを作り出すことができます。ご自身の顎の悩みに対して、どのような改善が期待できるのか、専門医と相談して具体的に検討することが大切です。

メリットとデメリット|後悔しないために知っておきたいこと

骨切り矯正は、長年のコンプレックスを解消し、より自信を持って生活するための選択肢となり得る治療です。しかし、外科手術を伴うため、治療を受けるかどうかを決める前に、そのメリットとデメリット、そして潜在的なリスクについて十分に理解しておくことが何よりも大切です。

「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、このセクションでは骨切り矯正によって得られる素晴らしい変化だけでなく、乗り越えるべき課題や注意点についても詳しく解説していきます。治療の全体像を冷静に把握し、ご自身にとって最善の選択をするための一助となれば幸いです。

骨切り矯正の4つのメリット

骨切り矯正は、一般的な歯列矯正では難しい骨格レベルの問題を根本から解決するため、患者さんにとって多くのメリットをもたらします。

まず、一つ目のメリットは「骨格からの根本改善」です。歯並びの悪さや顔の歪みが顎の骨格に原因がある場合、歯だけを動かす矯正治療では限界があります。骨切り矯正では、顎の骨そのものを理想的な位置に移動させるため、顔の骨格的な問題を根本から解決し、機能面と審美面の両方において大きな改善が期待できます。

二つ目のメリットは「審美性の大幅な向上」です。骨格のバランスが整うことで、顔全体の印象が大きく変わります。特に横顔のライン(Eライン)が美しくなり、口元の突出感が解消されたり、顎のラインがシャープになったりするなど、見た目が劇的に改善されることが多いです。これにより、長年のコンプレックスが解消され、ご自身の表情や横顔に自信を持てるようになるでしょう。

三つ目のメリットとして「機能面の改善」が挙げられます。正しい位置に骨格が移動し、噛み合わせが整うことで、食事の際に食べ物をしっかり噛み砕けるようになり、消化吸収の改善にもつながります。また、発音のしにくさが改善されたり、顎関節への負担が軽減されたりするなど、日常生活における機能的な問題が解決されることも少なくありません。

そして四つ目のメリットは「後戻りのリスクが少ない」ことです。歯列矯正だけで歯を動かした場合、骨格に問題が残っていると元の位置に戻ろうとする「後戻り」のリスクが比較的高い傾向があります。しかし、骨切り矯正は顎の骨格自体を正しい位置で固定するため、歯だけを動かす治療に比べて後戻りが起きにくいという特長があります。これにより、長期的に安定した美しい状態を維持しやすくなります。

骨切り矯正のデメリットとリスク

骨切り矯正は素晴らしい結果をもたらす可能性がある一方で、外科手術である以上、いくつかのデメリットやリスクが存在します。治療を受ける前にこれらを十分に理解し、納得しておくことが非常に重要です。

最大のデメリットは「外科手術と入院が必要」であることです。骨切り矯正は全身麻酔下で行われる大規模な手術であり、一般的に約1〜2週間の入院が必要になります。手術には身体的な負担が伴い、入院中は日常生活に制限があるため、ご自身のライフスタイルや仕事との調整が必要となります。

次に「術後のダウンタイム」です。手術後は必ず痛み、腫れ、内出血が発生します。腫れのピークは術後3〜4日目頃で、大きな腫れが引くまでに2週間、完全にむくみが解消されるまでには数ヶ月かかることもあります。この期間は見た目の変化や食事の制限があるため、精神的な負担も考慮する必要があります。

さらに、手術に伴う「神経麻痺のリスク」も無視できません。顎の骨の近くには、唇や顎周辺の感覚を司る神経が通っています。手術操作によってこれらの神経が一時的に損傷し、知覚が鈍くなる「知覚麻痺」が起こる可能性があります。多くの場合、数週間から数ヶ月で回復しますが、ごく稀に感覚が完全に回復しない、あるいはしびれが残るといった永続的な影響が出ることもあります。

最後に「高額な費用」が挙げられます。骨切り矯正は専門性の高い治療であり、特に保険適用外の自費診療の場合、総額で数百万円単位の費用がかかることが一般的です。保険適用となる「顎変形症」と診断された場合でも数十万円の費用がかかります。治療費だけでなく、術後のケアやリテーナーの費用なども含め、経済的な負担を考慮した上で検討を進める必要があります。

【期間別】骨切り矯正の治療全体の流れ

骨切り矯正は、理想の輪郭と噛み合わせを手に入れるための大きな決断であり、治療期間も長期間にわたります。このセクションでは、初回のカウンセリングから始まり、手術、そして保定期間を経て治療が完了するまでの一連の流れを、期間の目安とともにお伝えします。各ステップでどのような治療が行われ、どのような状態になるのかを具体的にイメージできるよう、詳しく解説していきます。この全体像を把握することで、治療への漠然とした不安が解消され、より安心して治療計画を立てられるでしょう。

ステップ1:カウンセリング・精密検査

骨切り矯正の治療は、まずクリニックでのカウンセリングからスタートします。ここでは、ご自身の顎や顔の輪郭に関する悩み、治療への希望などを医師に詳しく伝えてください。医師からは、骨切り矯正の基本的な情報、治療の適応、期待できる効果、そして手術に伴うリスクや費用について、詳細な説明が行われます。疑問点や不安なことは、この段階で納得がいくまで質問し、解消しておくことが大切です。

カウンセリングの後には、精密検査が行われます。レントゲン撮影、CT撮影、歯の型取り、顔や口の中の写真撮影といった多角的なデータが収集されます。これらのデータは、顎の骨格構造、歯並び、噛み合わせの状態を正確に把握するために不可欠です。多くのクリニックでは、これらの精密検査データをもとに、治療後の顔貌の変化を3Dシミュレーションで確認できる場合もあります。術後のご自身の姿を事前に視覚的に確認できるため、治療のゴールを共有し、納得した上で治療計画を進めることができるでしょう。

ステップ2:術前矯正(約半年~1年半)

精密検査の結果と治療計画に基づいて、骨切り手術の準備段階として「術前矯正」が始まります。この期間の主な目的は、手術によって顎の骨を正しい位置に動かした際に、上下の歯が互いにぴったりと噛み合うように、あらかじめ歯並びを整えておくことです。ワイヤー矯正などの一般的な矯正装置を用いて行われ、期間は個人差がありますが、約半年から1年半ほどかかるのが一般的です。

術前矯正中には、一時的に噛み合わせが悪化したり、口元の突出感がより強調されたように感じたりすることがあります。これは、手術後の理想的な噛み合わせを最終的なゴールとしているためであり、治療を成功させ、より良い結果を得るために必要なプロセスであることを理解しておくことが重要です。

ステップ3:骨切り手術(入院期間:約1~2週間)

術前矯正で歯並びが整ったら、いよいよ骨切り手術に進みます。手術は大学病院などの専門施設で全身麻酔下で行われ、手術時間は内容によって異なりますが、数時間程度かかるのが一般的です。手術後は数日間、より厳重な管理のため集中治療室(ICU)で過ごす場合もあります。入院期間は、おおよそ1〜2週間が目安となります。

入院中は、痛みや腫れを管理するために点滴や鎮痛剤が適切に処方されます。食事は、術後しばらくは口を大きく開けることが難しいため、鼻からのチューブや注射器のようなもので流動食を摂ることから始まります。徐々にミキサー食や柔らかい食事へと移行していきます。看護師や医師が常に状態を管理し、細やかなサポートを受けながら回復を促していきますので、ご安心ください。

ステップ4:術後矯正(約半年~1年)

骨切り手術が終わり、顎の骨が正しい位置で固定された後には、「術後矯正」へと移行します。この段階では、手術によって大きく改善された顎の位置に合わせて、個々の歯の並びや噛み合わせをさらに微調整していきます。術前矯正と同様に矯正装置を使用し、ゴムかけ(エラスティックゴム)などを活用して、上下の歯がより精密に噛み合うように仕上げていきます。

術後矯正の期間は、およそ半年から1年程度が目安です。この期間を経て、審美的にも機能的にも安定した理想の噛み合わせが完成します。手術で骨格を整えた上に、歯の一つ一つを最適な位置に導くことで、より美しい口元と、食事や発音に不自由のない快適な口腔環境が実現するのです。

ステップ5:保定期間(約2年~)

すべての矯正治療が完了し、理想の歯並びと噛み合わせが得られた後も、治療は終わりではありません。ここからが「保定期間」の始まりです。この期間の目的は、治療によって移動させた歯や顎の骨が、新しい位置でしっかりと安定するのをサポートし、後戻りを防ぐことです。保定期間中は、「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着します。

保定装置は、治療直後は食事や歯磨きの時間以外は常に装着し、徐々に装着時間を減らしていくのが一般的です。この保定期間をしっかりと過ごすことが、長期間にわたって美しい歯並びと輪郭を維持するために非常に重要となります。医師の指示に従い、正しく保定装置を使用することで、骨切り矯正で得られた素晴らしい結果を永続的なものにできるでしょう。

ダウンタイム中の過ごし方|痛み・腫れ・仕事復帰の目安

骨切り矯正は、理想の輪郭と噛み合わせを手に入れるための有効な治療法ですが、手術を伴うため、術後のダウンタイムについて不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。痛みや腫れのピークはいつなのか、食事はどのように変化するのか、そして仕事にはいつ頃復帰できるのかなど、日常生活への影響は事前にしっかりと把握しておきたいものです。このセクションでは、骨切り矯正後のダウンタイムについて、具体的な経過と生活上の注意点を時系列で詳しく解説していきます。具体的な情報を得ることで、漠然とした不安が和らぎ、安心して治療に臨むための心構えができるように、一つひとつ確認していきましょう。

痛みや腫れのピークと経過

骨切り矯正手術後の痛みと腫れは、誰しもが経験する自然な回復過程です。特に、腫れは術後3日から4日目が最も強く現れる傾向にあります。この時期には、顔全体が大きく腫れ上がり、一時的に別人のように感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これは一時的なもので、ピークを過ぎると徐々に引いていきます。

大きな腫れが目立たなくなるまでには、おおよそ2週間程度かかると考えてください。その後も、むくみのような小さな腫れは残りますが、これは時間の経過とともに少しずつ解消されます。顔の輪郭が完全にスッキリし、最終的な状態になるまでには、3ヶ月から半年程度かかる場合もあります。

痛みについては、手術直後から入院中は点滴や内服の鎮痛剤が処方され、しっかりとコントロールされますのでご安心ください。退院後も、処方される飲み薬を服用することで痛みを抑えることができます。したがって、過度な痛みに苦しむことは少なく、ご自身で管理できる範囲であることがほとんどです。

食事はどうなる?流動食から通常食までの期間

骨切り矯正手術後は、顎の骨や口の中がまだ安定していないため、食事の内容も段階的に変化していきます。手術直後は、口を大きく開けるのが難しいため、鼻のチューブや注射器のような器具を使って流動食を摂取することから始まります。これは、手術部位への負担を最小限に抑え、スムーズな回復を促すための重要な期間です。

その後、退院する頃には、お粥やヨーグルト、スープ、豆腐など、噛まずに飲み込める柔らかい食事が可能になります。術後1ヶ月程度を目安に、少しずつ普段の食事に近い形態へと戻していきますが、完全に硬いものを自由に噛めるようになるまでには、数ヶ月程度の時間が必要になる場合もあります。焦らず、ご自身の体の回復に合わせて、無理のない範囲で食事を進めていくことが大切です。

仕事や学校への復帰はいつから可能?

仕事や学校への復帰時期は、手術の内容や個人の回復力、そして仕事や学業の種類によって異なります。一般的には、デスクワークや在宅勤務のような、体力的な負担が少ない仕事であれば、退院後すぐ、あるいは手術から2週間程度で復帰する方が多いです。この時期には、大きな腫れは引いていても、まだむくみが残っていたり、感覚が鈍い部分があったりすることもありますので、無理のない範囲で業務を調整することをおすすめします。

一方、接客業や営業職など人前に出る機会が多い仕事や、体力を要する仕事の場合は、大きな腫れがほぼ完全に引く3週間から4週間後を目安に復帰を検討するのが良いでしょう。ご自身の体の状態や、職場の状況、周囲の理解を得ながら、主治医と相談し、無理のないスケジュールで復帰計画を立てることが重要です。

日常生活での注意点(運動・入浴など)

骨切り矯正手術後のダウンタイム中は、日常生活にもいくつかの注意点があります。長時間の入浴やサウナ、激しい運動、飲酒などは、血行を促進し、術後の腫れや痛みを悪化させる可能性があります。そのため、これらの活動は術後1ヶ月程度は控えるように指示されることがほとんどです。シャワーは退院後から可能となるケースが多いですが、必ず医師の指示に従ってください。

また、喫煙は血行を悪くし、傷の治りを遅らせるだけでなく、合併症のリスクも高めることが知られています。そのため、手術前後の期間は禁煙することが強く推奨されます。回復を早め、より良い結果を得るためには、こうした生活習慣の改善も大切になります。

その他にも、口の中の衛生状態を保つためのケアや、硬い食べ物を避けるなど、細かな注意点がいくつかありますので、主治医や看護師からの説明をよく聞き、指示に従って慎重に過ごすようにしてください。

骨切り矯正の費用|保険適用と自費診療の違い

骨切り矯正は、歯並びだけでなく顔の輪郭にも影響を与えるため、治療を検討する上で費用は非常に重要な要素です。この治療には、公的医療保険が適用されるケースと、全額自己負担となる自費診療のケースがあります。どのような場合に保険が適用されるのか、自費診療とはどのような選択肢なのか、そしてそれぞれの費用感がどのように違うのかといった点は、治療を決断する上で誰もが気になることでしょう。

このセクションでは、骨切り矯正にかかる費用の全体像を明確にし、保険適用となる条件や、自費診療を選択した場合のメリット・デメリット、さらに具体的な費用の目安と内訳について詳しく解説していきます。治療費に関する疑問を解消し、ご自身の状況に合わせた最適な選択ができるよう、ぜひ参考にしてください。

保険適用になるケース:「顎変形症」と診断された場合

骨切り矯正において保険が適用されるのは、国が定めた施設基準を満たす医療機関で、専門医によって「顎変形症」と診断された場合に限られます。顎変形症とは、上下の顎の骨の大きさや形、位置の異常によって、噛み合わせや顔のバランスに問題が生じる状態を指します。主に大学病院や一部の総合病院など、指定された医療機関でしか保険診療として骨切り矯正を受けることはできません。

保険適用となる最大のメリットは、費用負担を大幅に抑えられる点です。通常、高額になりがちな骨切り矯正の治療費が、3割負担などの公的医療保険の範囲内で収まるため、経済的なハードルが大きく下がります。しかし、デメリットも存在します。保険適用の治療は、主に機能改善を目的としており、審美的な要素は二の次とされる傾向があります。また、治療のプロセスが国で定められているため、術前矯正に長い期間を要したり、治療計画の自由度が低かったりすることがあります。さらに、予約が取りにくく、治療開始まで待機期間が生じるケースも少なくありません。

ご自身の症状が「顎変形症」に該当するかどうかは、精密検査を受け、担当医の診断によって判断されます。保険適用での治療を希望する場合は、まずは指定の医療機関で相談し、ご自身の状態と治療計画について詳しく説明を受けることが重要です。

自費診療になるケース:サージェリーファーストや審美目的の場合

「顎変形症」の診断基準には当てはまらないものの、顔の輪郭や噛み合わせの審美的な改善を主目的として骨切り矯正を受けたい場合、治療は自費診療(自由診療)となります。これは、個人の希望や美意識に基づいて治療内容を自由に選択できるため、保険診療では対応できない幅広いニーズに応えることが可能です。

また、自費診療では「サージェリーファースト」というアプローチを選択することもできます。サージェリーファーストとは、一般的な骨切り矯正のプロセスとは異なり、術前矯正を行わずに先に手術を実施し、その後で術後矯正によって噛み合わせを整える治療法です。この方法のメリットは、手術によって早期に顔貌が改善されるため、治療期間全体を短縮できる点にあります。見た目の変化を早く実感したい方や、術前矯正による一時的な見た目の悪化を避けたい方に選ばれることが多いアプローチです。

しかし、自費診療であるため、治療費は保険診療に比べて高額になります。クリニックや手術内容、術式によって費用は大きく異なりますが、総額で数百万円単位の費用がかかるのが一般的です。費用面での負担は大きいものの、治療計画の自由度が高く、審美性と機能性の両方を追求できるため、自身の希望に合わせたオーダーメイドの治療を受けたい場合に有効な選択肢と言えるでしょう。

費用の目安と内訳

骨切り矯正の費用は、保険適用か自費診療か、また選択する医療機関や手術の内容によって大きく異なります。保険適用の場合、3割負担であれば総額で数十万円程度に収まることが多いです。これには、術前・術後の矯正治療費、手術費用、麻酔費用、入院費用などが含まれますが、高額療養費制度を利用することで、さらに自己負担額を抑えることも可能です。

一方、自費診療の場合、費用の幅は非常に広くなります。クリニックや医師の経験、使用する術式、矯正装置の種類などによって大きく変動しますが、総額で200万円から500万円以上になることも珍しくありません。この費用には、初診料、精密検査料、矯正装置代、手術費用(骨切り術の種類や組み合わせによる)、麻酔費用、入院費用、薬剤費、術後検診費用などが含まれます。特に「サージェリーファースト」を選択する場合は、通常の自費診療よりもさらに費用が高くなる傾向があります。

治療費の全体像を把握するためには、カウンセリング時に提示される見積もりをしっかりと確認することが重要です。複数のクリニックで相談し、費用の内訳や追加で発生する可能性のある費用(例:プレート除去手術の費用など)についても詳しく説明を受け、納得した上で治療を選択するようにしましょう。

骨切り矯正に関するよくある質問

骨切り矯正は、多くの方が検討される治療法だからこそ、疑問や不安を抱かれることも少なくありません。ここでは、これまで解説しきれなかった内容や、特に多くの方が疑問に感じる点について、Q&A形式で詳しくお答えしていきます。骨切り矯正への理解を深め、不安を解消する一助となれば幸いです。

Q. 手術後の後戻りはありますか?

骨切り矯正は、顎の骨格そのものを正しい位置に移動させて医療用のプレートでしっかりと固定するため、歯だけを動かす一般的な歯列矯正に比べて、治療後の「後戻り」のリスクは低いとされています。骨格レベルで根本的な改善を行うため、一度安定した位置は比較的保たれやすいのが特徴です。

しかし、全く後戻りがないわけではありません。人間には、長年の癖や筋肉の動き、生活習慣などが原因で元の状態に戻ろうとする力が働きます。また、治療後に使用する「リテーナー」と呼ばれる保定装置の装着を怠ってしまうと、わずかながらも歯並びや噛み合わせに変化が生じる可能性はあります。長期的に美しい状態を維持するためには、医師の指示に従い、保定期間をしっかりと過ごすことが非常に重要です。

Q. 顔に傷跡は残りますか?

骨切り矯正の手術は、基本的にすべて口の中からアプローチして行われます。そのため、顔の表面の皮膚を切開することはなく、手術による傷跡が顔に残る心配はありません。外見への影響を気にされている方でも、安心して治療を検討できる点の一つです。

Q. 骨切り手術と歯列矯正はどちらを先にやるべきですか?

骨切り矯正の治療においては、骨切り手術と歯列矯正のどちらを先に行うかによって、一般的な治療計画と異なるアプローチが存在します。一般的な治療法(保険適用となる顎変形症の治療など)では、手術後の噛み合わせが安定するように、まず「術前矯正」で歯並びを整えてから骨切り手術を行うのが基本的な流れです。

一方で、自費診療の選択肢として「サージェリーファースト」と呼ばれるアプローチがあります。これは、先に骨切り手術を行い、早期に顔貌の改善を図った後で、最終的な噛み合わせを整えるための歯列矯正を行う方法です。どちらのアプローチが適しているかは、患者様の骨格の状態、治療の目的、希望される期間、そして費用の面など、さまざまな要因によって異なります。そのため、必ず複数の専門医と十分に相談し、ご自身の症状やライフスタイルに合った治療計画を立てることが非常に重要になります。

Q. 信頼できるクリニックの選び方は?

骨切り矯正は大きな治療であるため、信頼できるクリニック選びは非常に重要です。まず、口腔外科医と矯正歯科医が密に連携しているクリニックを選びましょう。骨格と歯並びの両方を専門とする医師が協力することで、より総合的で質の高い治療が期待できます。次に、担当医師の経歴や骨切り矯正の症例数を事前に確認することも大切です。クリニックのウェブサイトやカウンセリングの際に、医師の実績について質問してみましょう。

また、丁寧なカウンセリングを行ってくれるかどうかも重要なポイントです。メリットだけでなく、痛みや腫れ、神経麻痺などのリスクについても十分に時間をかけて説明し、患者様からの質問に真摯に答えてくれる医師を選びましょう。3Dシミュレーションなどを用いて、術後の変化を具体的に示してくれるクリニックであれば、治療のゴールをより明確にイメージできます。

そして、最も大切なのは、一つのクリニックだけで決めずに、複数のクリニックでカウンセリングを受け、比較検討することです。それぞれのクリニックの方針、費用、医師との相性などを総合的に判断することで、後悔のない選択ができるでしょう。ご自身の納得がいくまで、じっくりと情報収集と検討を重ねてください。

まとめ:骨切り矯正は見た目と機能の悩みを解決する選択肢

骨切り矯正は、単に見た目を美しくするだけでなく、噛み合わせなどの機能的な問題を根本から解決し、長期的な健康にも貢献する治療法です。顎の骨格そのものにアプローチするため、重度の出っ歯や受け口、顔の歪みといったコンプレックスを解消し、バランスの取れたフェイスラインと、正しい噛み合わせを手に入れることができます。

この治療は全身麻酔を伴う外科手術であり、費用やダウンタイムも考慮すべき点が多く、決して簡単な決断ではありません。しかし、治療による外見の変化は自信につながり、食事や会話といった日常生活の質の向上、さらには精神的な安定をもたらす「価値ある投資」となり得ます。後戻りのリスクが少ないため、一度治療を終えればその効果を長く実感できるでしょう。

骨切り矯正を検討する際には、この記事で解説したメリットとデメリットを正しく理解し、信頼できる口腔外科医や矯正歯科医とじっくり相談することが何よりも重要です。複数のクリニックでカウンセリングを受け、ご自身の症状やライフスタイルに合った治療計画を立てて、納得した上で治療を進めてください。

 

監修者

菅野 友太郎 | Yutaro Kanno
国立東北大学卒業後、都内の医療法人と石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)に勤務。
2018年大森沢田通り歯科・予防クリニックを開業、2025年 東京銀座A CLINIC デンタル 理事長に就任し現在に至る。  

【所属】
・5-D Japan 会員
・日本臨床歯周病学会 会員
・OJ(Osseointegration study club of Japan) 会員
・静岡県口腔インプラント研究会 会員
・日本臨床補綴学会 会員
・日本デジタル歯科学会 会員
・SPIS(Shizuoka Perio implant Study) 会員
・TISS(Tohoku implant study society) 主催  

 

【略歴】
・2010年 国立東北大学 卒業
・2010年 都内医療法人 勤務
・2013年 石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)勤務
・2018年 大森沢田通り歯科・予防クリニック 開業
・2025年 東京銀座A CLINIC デンタル 理事長 就任

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