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インビザライン治療を検討する際、多くの方が気になるのが「1日22時間以上」というマウスピースの装着時間のルールではないでしょうか。長時間の装着が必要な基本的な理由から、装着時間を守れなかった場合に起こりうるリスク、そして忙しい毎日の中で装着時間を確保するための具体的な方法までを詳しく解説します。特に、仕事や外食といったリアルな生活シーンを想定したタイムスケジュールや、万が一装着時間を守れなかった際の正しいリカバリー方法も紹介します。この記事を読めば、インビザライン治療中の生活を具体的にイメージでき、自己管理への不安を解消できるでしょう。
インビザラインの推奨装着時間は「1日22時間以上」
インビザライン治療の効果を最大限に引き出すために推奨されているアライナー(マウスピース)の装着時間は、「1日22時間以上」です。これは、食事と歯磨きの時間を除いて、ほぼ1日中装着し続けることを意味します。具体的には、この22時間という時間は、治療計画を順調に進めるための最適な装着時間として、多くの歯科医院で指導されています。
最低でも「1日20時間以上」の装着が、治療計画を滞りなく進めるための必須条件とされています。この時間を下回ると、歯の動きが計画通りに進まないだけでなく、治療期間の延長や、最悪の場合にはアライナーが合わなくなるなどの問題が生じる可能性があります。インビザライン治療を始める前には、この装着時間のルールをしっかりと理解し、ご自身の生活の中で実践できるかを考慮することが成功への第一歩となります。
なぜ長時間の装着が必要?歯が動く仕組みと関係性
なぜインビザラインはこれほど長い装着時間を必要とするのでしょうか。その理由は、歯が動くメカニズムに深く関係しています。歯は、周囲の骨が吸収と再生を繰り返すことで少しずつ移動します。この骨の代謝を促すためには、歯に対して持続的かつ弱い力を加え続けることが不可欠です。インビザラインのアライナーは、この精密にコントロールされた持続的な力を歯に加えるように設計されています。
もし装着時間が短いと、歯に力がかからない時間が長くなり、歯が動くための適切な環境が失われてしまいます。断続的な力では歯が効率的に動かないばかりか、かえって歯や歯周組織に不要な負担をかけてしまうこともあります。長時間の装着によって常に歯に力が加わることで、治療計画通りの歯の移動がスムーズに行われ、治療効果を最大限に引き出すことができるのです。
外している間に起こる「後戻り」のリスク
アライナーを外している時間が長くなると、歯が計画通りに動かないだけでなく、「後戻り」という現象が起こるリスクが非常に高まります。後戻りとは、矯正によって移動した歯が、矯正力が解除されたことで元の位置に戻ろうとする動きのことです。特に矯正治療の初期段階では、歯周組織の弾性が強く、わずかな時間アライナーを外しただけでも歯が元の位置に戻りやすい性質を持っています。
たとえ数時間アライナーを外しているだけでも、歯は微かに後戻りを始めます。その結果、次にアライナーを装着した際に強い痛みを感じたり、アライナーが歯から浮いてしまったりする原因となります。このような後戻りが頻繁に起こると、治療計画が大幅に遅れたり、最悪の場合、治療が失敗に終わったりする可能性も出てきます。この後戻りのリスクを最小限に抑えるためにも、推奨される装着時間を守ることが非常に重要です。
【モデルケース】インビザライン装着者のリアルな1日のタイムスケジュール
「1日22時間」というインビザラインの装着時間は、実際にどのように日常生活へ組み込めば良いのか、具体的なイメージが湧きにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、日中の仕事や休日のプライベートといった、さまざまなシチュエーションを想定したインビザライン装着者のリアルな1日のタイムスケジュールをご紹介します。
平日と休日の2つのモデルケースを通して、ご自身のライフスタイルに合わせた装着時間の管理方法のヒントを見つけていただけると嬉しいです。これらの例はあくまで一例ですが、ご自身の生活パターンと照らし合わせながら、無理なくインビザライン治療を続けるための計画を立てる参考にしてください。
平日(営業職の場合)の過ごし方
営業職の方は、対面の商談や社内プレゼン、会食の機会が多く、常に人と接する環境にあります。このような多忙な平日でも、インビザラインの装着時間を確保するための具体的なタイムスケジュールを見ていきましょう。朝の起床から夜の就寝までの流れの中で、アライナーをいつ外し、いつ再装着するのか、具体的な時間配分をイメージできるよう解説します。
例えば、朝食後に歯磨きを済ませてアライナーを装着したら、昼食の時間までそのまま装着をキープします。クライアントとのランチや会食がある場合、お店に到着して席に着く前に化粧室でアライナーを外しておきましょう。食事が終わったら、再び化粧室で歯磨きを行い、すぐにアライナーを再装着します。日中のコーヒーブレイクの際は、水やお茶であればアライナーを装着したまま飲むことができますが、それ以外の糖分を含む飲み物や色の濃い飲み物は、アライナーを外して飲んだ後、しっかり歯磨きをしてから再装着することをおすすめします。
インビザライン装着初期は、アライナーを装着したままでの会話に多少の違和感や発音のしづらさを感じる方もいらっしゃいますが、ほとんどの場合、数日で慣れていきます。自宅での練習として、アライナーを装着したまま新聞や本を音読する習慣をつけるのも効果的です。仕事と治療を両立させるためには、このように具体的な行動パターンを確立し、ご自身のライフスタイルに合わせて柔軟に対応していくことが重要になります。
休日(外食の予定がある日)の過ごし方
友人とのランチやディナー、家族での食事など、休日は外食の機会が増え、ついついアライナーを外している時間が長くなりがちです。しかし、プライベートな時間を楽しみながらも、インビザラインの装着時間をしっかり確保するための工夫は可能です。
外食の予定がある日は、まず食事の直前までアライナーを装着しておくことを意識しましょう。レストランに着いたら化粧室でアライナーを外し、専用ケースに保管します。食事が終わってデザートやコーヒーまでゆっくりと楽しんだ後、再び化粧室で丁寧な歯磨きとアライナーの再装着を済ませてください。この一連の動作を習慣化することで、外食の時間を楽しみながらも、アライナーを外している時間を最小限に抑えることができます。
また、休日は間食が増えやすいですが、アライナーを外す回数が増えると、その分装着時間が短くなってしまいます。治療中は、間食はなるべく控え、食事の際にまとめて済ませる「だらだら食べ」を避けることが推奨されます。アライナーを外している間の保管には、必ず専用のケースを使用し、ティッシュなどに包んで置くことは紛失の原因となるため絶対に避けてください。これらの小さな工夫を実践することで、休日のプライベートな時間を満喫しながら、無理なくインビザライン治療を継続することが可能になります。
インビザラインの装着時間を守れないとどうなる?5つのリスク
インビザライン治療の成功は、適切な装着時間を守れるかどうかに大きく左右されます。推奨される1日22時間以上の装着時間を日常的に下回ってしまうと、治療の進行にさまざまな悪影響が出てしまう可能性があります。ここでは、装着時間を守れなかった場合に起こりうる具体的な5つのリスクを詳しく解説します。これらのリスクを事前に理解しておくことは、治療へのモチベーションを維持し、自己管理の重要性を再認識するうえで非常に役立ちます。
1. 治療計画に遅れが生じ、治療期間が延びる
インビザラインの装着時間を守れない場合、最も直接的に影響が出るのは治療期間の延長です。インビザライン治療では、アライナー(マウスピース)を1〜2週間ごとに交換し、歯を段階的に動かしていきます。しかし、装着時間が不足すると、歯に十分な矯正力が伝わらず、歯の動きが停滞してしまいます。その結果、予定通りに次のアライナーへ進むことができなくなり、一つのアライナーの装着期間が数日延びるだけでも、その遅れは治療全体に積み重なり、当初の予定よりも数ヶ月、あるいはそれ以上治療期間が長引いてしまう可能性があるのです。
治療期間が長引くことは、精神的な負担だけでなく、予定していたイベントに間に合わなくなるなど、ライフプランにも影響を及ぼすことがあります。そのため、計画通りの期間で治療を終えるためには、日々の装着時間を厳守することが非常に重要になります。
2. マウスピース(アライナー)が歯に合わなくなる
装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かないだけでなく、「後戻り」を起こすリスクが高まります。後戻りとは、矯正力がかからない時間に歯が元の位置に戻ろうとする現象のことです。この後戻りや、そもそもの歯の動きの遅れによって、次のステージのアライナーが現在の歯並びに合わなくなることがあります。
具体的には、「アライナーが浮く」という状態になり、アライナーと歯の間に隙間ができてしまいます。アライナーがしっかりと歯にフィットしていないと、矯正力が正確に伝わらず、期待する治療効果が得られません。無理に合わないアライナーを装着し続けると、特定の歯に過度な負担がかかり、痛みやその他の問題を引き起こす危険性もあります。この状態に陥ると、治療計画の見直しや再作成が必要になるケースもあります。
3. 理想の歯並びにならない可能性がある
インビザライン治療は、精密な3Dシミュレーション(クリンチェック)に基づいて、最終的なゴールとなる理想の歯並びが設定され、そこに至るまでの各ステップのアライナーが作製されます。しかし、装着時間の不足によって歯の動きに計画からの大きなズレが生じると、シミュレーション通りの結果を得ることが難しくなってしまいます。
治療計画との乖離が大きくなると、最終的に目指していた理想の歯並びが実現できない可能性が出てきます。最悪の場合、治療を一旦中断し、現在の歯型を再度採取して治療計画を練り直す「リファインメント」が必要となることもあります。このような事態を避けるためにも、日々の装着時間を守り、計画通りに歯を動かすことが大切です。
4. 歯や歯茎に負担がかかる
インビザライン治療は、歯や歯周組織に安全な範囲で持続的な力を加えることで歯を動かします。しかし、装着時間を守らずアライナーが歯に合わない状態で無理に装着を続けたり、装着と非装着を繰り返したりすると、歯や歯根、歯茎に予期せぬ強い力がかかってしまうことがあります。これにより、強い痛みが生じるだけでなく、歯根が短くなる「歯根吸収」のリスクが高まる可能性もあります。
歯根吸収は、一度起こると元には戻らないため、矯正治療において非常に注意すべき合併症の一つです。矯正治療の安全性を確保し、将来の歯の健康を守るためにも、決められた装着時間を守り、歯に無理な負担をかけないことが重要となります。もし痛みや違和感が続く場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。
5. 追加費用が発生する場合がある
装着時間を守れなかったことによる治療計画の遅延や、アライナーが合わなくなったことによる治療計画の再作成(リファインメント)には、追加の費用が発生する場合があります。インビザラインの契約内容によっては、リファインメントの回数に上限が設けられていたり、治療期間が一定期間を過ぎると有料になったりするケースが一般的です。
当初の予算内で治療を終えるためには、装着時間の自己管理が経済的な観点からも非常に重要です。自己管理の不足が、予期せぬ出費に繋がり、治療費総額が大きく膨らんでしまう可能性も考えられます。このような追加費用を発生させないためにも、日々の装着ルールをきちんと守り、計画通りに治療を進める意識を持つことが大切です。
「22時間装着は無理!」シーン別の対処法と続けるコツ
「1日22時間」というルールは、理想だと分かっていても、現実の生活では難しいと感じる瞬間もあるでしょう。しかし、諦める必要はありません。インビザライン治療は、正しい知識と少しの工夫で、日常生活に無理なく組み込むことが可能です。ここでは、多くの人がつまずきやすい具体的なシーン別に、装着時間をできるだけ確保するための対処法や、治療を続けるためのコツを紹介します。これらのヒントを活用することで、治療の負担を減らし、スムーズにインビザラインを進めることができるでしょう。
食事や間食に時間がかかってしまう場合
食事のたびにアライナーを外し、食後に歯を磨いて再装着するという一連の流れは、慣れるまで意外と時間がかかります。特に、ゆっくり食事を楽しみたい方や、仕事の合間に間食をする習慣がある方は、アライナーを外している時間が長くなりがちです。
対策として、まず食事時間をあらかじめ30分から45分程度と意識的に区切ってみましょう。そして、食事が終わったらすぐに歯磨きをしてアライナーを再装着する習慣をつけることが重要です。外出先では、携帯用の歯ブラシセットを常に持ち歩くようにしてください。また、アライナーを外す回数を減らすために、間食はなるべく控え、決まった食事の時間にまとめて摂るように心掛けることも有効です。例えば、どうしても間食をしたい場合は、アライナーを外してすぐに摂り、食べ終わったらすぐに歯磨きと再装着を行うなど、時間を最小限にすることがポイントです。
こうした工夫をすることで、食事によるアライナーの非装着時間を最小限に抑え、1日の装着時間を無理なく確保できるようになります。計画的に食事と歯磨きの時間を管理することが、治療をスムーズに進める上で非常に大切です。
飲み会や長時間の外食がある場合
友人との飲み会や仕事での会食は、インビザライン治療中の大きな課題の一つです。長時間にわたり飲食が続くと、アライナーを外している時間も必然的に長くなりがちです。このような状況では、いくつかの注意点と対処法を実践することが大切です。
まず、アライナーを装着したまま飲めるのは「水」だけだと覚えておきましょう。糖分や酸を含む飲み物、色の濃い飲み物は、アライナーと歯の間に浸透し、虫歯のリスクを高めたり、アライナーの着色を引き起こしたりする可能性があります。これらを飲む場合は、一時的にアライナーを外すか、ストローを使って歯に直接触れないように工夫し、飲んだ後は水で口をよくゆすぐなどのケアをしましょう。また、熱い飲み物はアライナーを変形させる可能性があるため、絶対に避けなければなりません。
食事中はアライナーを専用ケースに保管し、食事が終わったら、化粧室などで歯磨きとアライナーの再装着を済ませるのが理想的です。もしすぐに歯磨きができない場合は、口を水でよくゆすいでからアライナーを装着し、帰宅後すぐに丁寧に歯磨きを行うようにしてください。事前に歯科医師に相談しておけば、具体的なアドバイスや一時的な対処法について教えてもらえる場合もありますので、不安な場合は積極的に相談してみましょう。
仕事や会話中にどうしても外したい場合
特に営業職や接客業など、人前で話す機会が多い職業の方は、インビザライン装着中の発音のしづらさが気になるかもしれません。治療開始直後は多少の違和感や、サ行、タ行などが話しにくく感じることがありますが、ほとんどの場合は数日から数週間で慣れてきます。まずは、自宅で鏡を見ながら本を音読するなどして、アライナーを装着したまま話す練習をしてみることをおすすめします。
それでも、どうしても大事なプレゼンテーションや商談の時だけは外したい、という状況も起こりうるでしょう。そのような場合は、外す時間を必要最小限にとどめ、用事が終わり次第すぐに再装着することを徹底してください。ただし、これが習慣化すると治療計画に大きな影響を与えるため、あくまで例外的な対応と捉えることが重要です。治療の進捗を最優先し、できる限り装着し続ける努力をしましょう。
痛みが原因で装着したくない場合
新しいアライナーに交換した直後は、歯が動くことによる痛みや圧迫感を感じることがあります。これは、歯が計画通りに動いている証拠でもありますが、痛みが強いと装着するのが億劫になるかもしれません。このような痛みを和らげ、装着を続けやすくするための効果的な対策として、新しいアライナーへの交換を就寝前に行うのがおすすめです。
寝ている間に痛みのピークを乗り越えることができるため、日中の活動への影響を最小限に抑えられます。通常、この痛みは2日から3日で和らぐことがほとんどですが、もし痛みが何日も続いたり、我慢できないほど強かったりする場合は、自己判断せずに必ずかかりつけの歯科医院に相談してください。無理に我慢して装着し続けると、歯や歯周組織に負担をかける可能性もあります。歯科医師に状況を説明し、適切なアドバイスや処置を受けることが大切です。
うっかり装着を忘れてしまう場合
食事の際にアライナーを外して、そのままつけ忘れてしまうというのは、インビザライン治療中に多くの人が経験する失敗です。これを防ぐためには、習慣化と仕組みづくりが非常に重要になります。
まず、アライナーを外したら必ず専用のケースに入れる癖をつけましょう。ティッシュに包んで置いておくと、誤って捨ててしまったり、破損したりする原因になります。そして、そのケースを常に身につけるか、食卓や洗面台など、目につきやすく忘れにくい場所に置くようにします。視覚的なリマインダーとして、洗面台の鏡や冷蔵庫に付箋を貼っておくといったアナログな方法も効果的です。
また、スマートフォンのリマインダー機能を活用するのも非常に有効です。食事のたびに「食後30分後」などにアラームを設定し、装着を促すメッセージを表示させることで、習慣化をサポートできます。これらの工夫を組み合わせることで、うっかり装着を忘れてしまうリスクを大幅に減らし、治療計画を順調に進めることができるでしょう。
もし装着時間を守れなかったら?状況別の正しいリカバリー方法
どれだけ気をつけていても、うっかりインビザラインのアライナー(マウスピース)の装着時間を守れない日は出てくるかもしれません。そんな時、大切なのはパニックにならず、正しくリカバリーすることです。自己判断で無理な調整をすると、かえって状況を悪化させ、治療計画を大きく狂わせてしまうこともあります。ここでは、装着を忘れてしまった時間に応じて、どのように対処すべきかを具体的に解説します。ただし、基本的には「困ったらまず歯科医師に相談する」ということを念頭に置いてください。
インビザライン治療は、精密に計算された歯の動きに基づいてアライナーが作られています。そのため、装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かないだけでなく、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が生じるリスクが高まります。このような状況に陥った際に適切な対処をしないと、アライナーが合わなくなったり、治療期間が延びたりする原因となります。ご自身の判断だけでなく、必ず専門家である歯科医師の指示を仰ぎましょう。
数時間だけ装着時間が短くなった場合
1日のトータル装着時間が2〜3時間短くなってしまった、というような比較的軽微なケースの対処法です。例えば、仕事中に少し長めに外してしまったり、うっかり食事後の再装着が遅れてしまったりした場合がこれに当たります。この場合、まずは気づいた時点ですぐにアライナーを装着し、そこから装着時間を再開しましょう。そして、短くなった時間分を翌日以降で取り戻すように意識することが大切です。
具体的な方法としては、今日2時間短かったら、翌日と翌々日で1時間ずつ長く装着する、といった具合です。1週間単位で平均装着時間が20〜22時間になるように調整する意識を持つことが重要です。アライナーの交換日は、予定通りで問題ない場合がほとんどですが、もし不安を感じるようでしたら、念のためかかりつけの歯科医師に確認することをおすすめします。少しの工夫でリカバリーできるケースなので、前向きに対応しましょう。
半日〜1日つけ忘れてしまった場合
半日以上、あるいは丸1日つけ忘れてしまった場合は、より慎重な対応が必要です。これだけ長い時間アライナーを外していると、歯は大きく後戻りを起こしている可能性が高いです。まず、気づいた時点でアライナーを装着してみてください。おそらく、かなりきつく感じたり、痛みが出たりするはずです。これは歯が元の位置に戻ろうとする力が働いた証拠です。
この場合、自己判断で次のステージのアライナーに進むのは絶対にやめてください。後戻りした歯に無理やり新しいアライナーを装着すると、歯に過度な負担をかけたり、アライナーが変形したりする原因となります。基本的なリカバリー方法として、現在のステージのアライナーの装着期間を、忘れていた日数分だけ延長します。例えば1日忘れたら、予定していた交換日を1日延ばす、といった対応です。そして、必ずかかりつけの歯科医院に連絡し、状況を報告して今後の指示を仰ぎましょう。自己判断での無理な対応は、治療計画の大きな遅延や、再治療に繋がるリスクを高めてしまいます。
マウスピースが浮いてしまったり、はまらなくなったりした場合
長期間つけ忘れた後などに、アライナーが明らかに歯から浮いてしまったり、全くはまらなくなってしまったりすることがあります。これは、歯の後戻りがかなり進み、アライナーの形と現在の歯並びが合わなくなってしまった状態です。無理に押し込もうとすると、歯や歯根、歯周組織を痛める危険があるので、絶対にやめてください。この状態は、治療計画からの大きなズレが生じているサインです。
このような場合の対処法として、まずは一つ前のステージのアライナーを試してみてください。もしそれが比較的スムーズにフィットするようであれば、それを装着し、可及的速やかに歯科医院に連絡してください。一つ前のアライナーも入らない場合は、何も装着せずに、すぐに歯科医院を受診して指示を仰ぐ必要があります。この状況を放置すると、治療計画の再作成(リファインメント)や、最悪の場合、治療が中断となる可能性もあります。自己判断で状況を悪化させないためにも、早急に専門家へ相談することが重要です。
自己管理をサポートする便利アイテムと習慣化のヒント
インビザライン治療の成功は、日々の自己管理にかかっていると言っても過言ではありません。しかし、すべてを意志の力だけで乗り切るのは大変です。幸い、今では装着時間の管理や日々のケアをサポートしてくれる便利なアイテムやアプリがたくさんあります。これらをうまく活用することで、治療の負担を軽減し、習慣化を助けることができます。ここでは、インビザライン生活をより快適にするためのツールや工夫を紹介します。
装着時間管理アプリやスマートフォンのリマインダー
インビザライン治療において、装着時間の記録は自己管理の基本となります。公式アプリの「My Invisalign」は、アライナーを外した時と装着した時にボタンをタップするだけで、1日の装着時間を自動で記録し計算してくれます。また、次のアライナーへの交換時期を通知してくれる機能も備わっており、非常に便利です。このアプリを活用すれば、日々の装着状況を視覚的に把握し、目標達成へのモチベーションを維持しやすくなります。
スマートフォンの標準搭載されているタイマーやリマインダー機能も、自己管理に非常に有効です。例えば、食後にアライナーを装着し忘れないように、「食後30分」などと設定してアラームを鳴らすことができます。自分の生活パターンに合わせて、朝食後、昼食後、夕食後など、忘れやすいタイミングでリマインダーを設定することで、装着漏れを防ぎ、安定した装着時間を確保することに繋がります。
外出先でのケアに役立つ携帯用グッズ
外出時にインビザラインの装着時間を確保するためには、どこでも手軽に口腔ケアができる準備が欠かせません。常に持ち歩くバッグやポーチには、必需品をまとめてセットにしておく習慣をつけましょう。具体的には、アライナーを安全に保管するための「アライナーケース」、食後の歯磨きに使う「携帯用の歯ブラシと歯磨き粉」、そして歯間の汚れを除去するための「デンタルフロスや歯間ブラシ」がセットに含まれていると安心です。
特に、アライナーケースは、外したアライナーの紛失や破損を防ぐための最も重要なアイテムです。うっかりティッシュに包んで捨ててしまったり、裸のままテーブルに置いてホコリが付着したりするリスクを避けるためにも、必ず専用ケースに保管する習慣をつけましょう。これらのケアグッズを常に携帯することで、外出先での急な食事や休憩時にも、ためらうことなくアライナーを外して歯磨きをし、すぐに再装着できるため、装着時間を維持しやすくなります。
マウスピースの密着度を高める「チューイー」の活用
「チューイー」とは、シリコン製の小さなロール状の補助道具で、アライナーを歯にしっかりと密着させるために使用します。アライナーを装着した後、チューイーを数分間噛むことで、アライナーと歯の間に生じやすいわずかな隙間をなくし、フィット感を向上させることができます。特に、新しいアライナーに交換した直後は、歯に馴染むまで時間がかかり、アライナーが浮きやすい傾向があるため、チューイーの使用が非常に効果的です。
チューイーを毎日使用することで、矯正力がより正確に歯に伝わり、治療効果を最大限に引き出すことが期待できます。アライナーと歯の密着度が高まると、歯の動きがスムーズになり、治療計画の遅延を防ぐことにも繋がります。毎日の装着時に数分間噛むことを習慣にすると良いでしょう。チューイーは、通常、治療を開始する際に歯科医院から提供されるか、オンラインショップでも購入できますので、積極的に活用してみてください。
まとめ:装着時間の自己管理がインビザライン成功の鍵
本記事では、インビザライン治療における装着時間の重要性と、それを守るための具体的な方法について詳しく解説しました。インビザラインの最大のメリットは、目立たず、日常生活に溶け込みやすい点ですが、その効果を最大限に引き出すためには、「1日22時間以上」という装着時間のルールを厳守することが不可欠です。
この「1日22時間」という数字は、一見すると厳しい目標のように感じられるかもしれません。しかし、歯がどのように動くのかというメカニズムを理解し、ご自身のライフスタイルに合わせた具体的な工夫を凝らすことで、決して達成不可能な目標ではありません。仕事中のランチや友人との外食、あるいはうっかり装着を忘れてしまった時など、実際の生活で直面する可能性のあるさまざまなシーンを想定し、それぞれに対する対処法を事前に準備しておくことが、治療への不安を軽減し、スムーズな進行につながります。
インビザライン治療は、歯科医師の専門的な知識と技術はもちろんのこと、患者さまご自身の積極的な自己管理が成功の鍵を握る治療法です。日々のアライナー装着を習慣化し、困った時にはためらわずに歯科医師に相談する姿勢が大切になります。この記事で得た知識が、インビザライン治療中の生活を具体的にイメージし、自信を持って理想の歯並びを目指すための一助となれば幸いです。
監修者
菅野 友太郎 | Yutaro Kanno
国立東北大学卒業後、都内の医療法人と石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)に勤務。
2018年大森沢田通り歯科・予防クリニックを開業、2025年 東京銀座A CLINIC デンタル 理事長に就任し現在に至る。
【所属】
・5-D Japan 会員
・日本臨床歯周病学会 会員
・OJ(Osseointegration study club of Japan) 会員
・静岡県口腔インプラント研究会 会員
・日本臨床補綴学会 会員
・日本デジタル歯科学会 会員
・SPIS(Shizuoka Perio implant Study) 会員
・TISS(Tohoku implant study society) 主催
【略歴】
・2010年 国立東北大学 卒業
・2010年 都内医療法人 勤務
・2013年 石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)勤務
・2018年 大森沢田通り歯科・予防クリニック 開業
・2025年 東京銀座A CLINIC デンタル 理事長 就任
銀座駅徒歩3分・東銀座駅徒歩10秒の矯正歯科・審美歯科
『東京銀座A CLINIC デンタル』
住所:東京都中央区銀座5丁目13-19 デュープレックス銀座タワー5/13 12階
TEL:03-6264-3086